『ゼルダの伝説 夢をみる島』をSwitch版で27年ぶりにやったらよくわからんシーンでワンワン泣いてしまった話 | 健全なホームページ

『ゼルダの伝説 夢をみる島』をSwitch版で27年ぶりにやったらよくわからんシーンでワンワン泣いてしまった話

        『ゼルダの伝説 夢をみる島』をSwitch版で27年ぶりにやったらよくわからんシーンでワンワン泣いてしまった話
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最近はNintendo Switchで『ゼルダの伝説 夢をみる島』をやっています。

ゲームボーイ版の夢をみる島で初めてゼルダシリーズをプレイして、楽しかった記憶だけは残ってたけど、ストーリーなどはほとんど忘れてしまってたのですごく新鮮な気持ちでプレイしています。

グラフィックは綺麗でかわいいし、音楽もかわいいし、操作は簡単で謎解きレベルはちょうどいい。怖さがなくてワクワクしかない世界感もいいし、移植されて追加された要素もまったく邪魔をしてこない。当時のゲームボーイ版の魅力を完璧に引き出した見事な移植作品だと思いますね。

すごく楽しいし、久しぶりに「クリアしたら終わっちゃう。寂しいな~」という感覚も味わっています。クリアするために進めてるのにクリアしたくない。めちゃくちゃウマいメシを食べてるときの最後の一口の感覚ですよ。

変なオバケが切なすぎて涙が溢れました

さてさて。タイトルのワンワン泣いてしまったというシーンはたぶんそれほど重要なシーンでもなければエンディングでもありません(そもそもまだクリアしてない)。泣かされたのはストーリー中盤で出てきた謎のオバケとの道中でした。


「こんなキャラクター、ゲームボーイ版で出てきてたっけ?」と思って調べてみたけど、ちゃんと出ていたみたいだし、このあたりのストーリーには何も手を加えられてないっぽい。変わった点があるとすればグラフィックが綺麗になり、オバケに怪しげなピンク色が着色されたことくらい。


これが拾い物のゲームボーイ版オバケの画像。全然可愛くないし、地味だし、そりゃあ当時は印象にも残らないよな。

オバケは条件を満たすといつの間にかついてくる設定になってるらしいけど、たまたま取り憑かれた場所がひみつの薬を塗ってくれるお姉さんの家の前だったし、色はピンクだし、最初はただのエロいオバケなのかと思ってしまったよ。それがまさか泣かされるようなことになるとは……。

オバケは冒険中のリンクに取り憑き「おうちに連れて行って」と懇願してきます。無視して次のダンジョンに入ろうとすると「そこはいや!」とわがままを言ってくるので、お願いを聞いてあげるしかありません。

仕方なく冒険を中断して島を散策すると、海の近くでボロボロになったオバケの家を発見。中に入るとオバケは懐かしそうにゆっくりと部屋をウロウロと徘徊し始めます。


荒れ果てた家の中で「何も変わってない……」なんてつぶやきながらシクシクと泣くオバケ。ひと通り部屋を徘徊すると「もういい。お墓帰る」と言い出します。なんかこのシーンが妙に考えさせられてしまって、考えているうちに本当にボロボロと涙がこぼれてしまった。疲れてるのかな……。

どうしてオバケはわざわざ家に帰りたがったんだろう。考えられる理由は、家に思い出がたくさん詰まっているとか、家じゃない場所で死んでしまったとか、そんなとこでしょう。

ゲームボーイ版のグラフィックだと描かれていなかったけど、部屋をよく見るとテーブルの上には地図やコンパスが置かれていて、リンクと同様に島中を冒険していたのではないかと思われます。


最後に連れて行ってあげるお墓は墓地から少し離れた明るい場所にあって、たくさんの花が咲いている立派なお墓でした。独り身なのにこんな立派な墓を建ててもらえるなんて、島の住民たちからも慕われていたんだろうし、みんなが悲しむ死だったんだろうなあ。もしかしたらオバケも島の外から流れ着いたのかもしれないし、もともと島の住民で、島の謎を解明するために必死に研究していたのかもしれない。

家に帰るのを楽しみにしていたのに死んでしまったら悲しいよな。家が荒れ果てるほど長い時間が経過したあとにようやく帰ってきて、ボロボロになった部屋に入ったらどんな気持ちになるんだろう。

そんなことを自分と重ね合わせながら考えていたら切なくなってしまったのです。もし僕がそのへんで事故死して、10年20年経ってからオバケになって家に戻ってみたら、そのときの部屋の景色はどうなってるんだろう。そしてどう映るんだろう……。

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27年前にプレイしたときはなーんにも思わなかったシーンだけど、27年経ってこんなことを考えてしまうのは僕の寿命が27年分縮んだからなんでしょうな。27年前より確実に死に近づいてるからこそオバケの存在が切なく思えるようになったし、死がリアルになったんだろうなあ。

そういえば大人になってからドラクエ5をやったときもストーリーの受け取り方が変わってて驚いたのを思い出したよ。子供の頃は主人公をかばって棒立ちになって死んでいくパパスを見て「攻撃すれば絶対倒せるのにバカだな~」なんて思ったけど、大人になってからやると不思議とパパス視点になっていて、「自分でもこうやって子供(主人公)をかばうだろうな」と思ったし。

今回の夢をみる島に限らず、僕が遊びまくったゲームはだいたい20年以上前のもの。他のゲームでももしかしたら同じような気持ちを味わえて二度楽しいかもしれないな。

とりあえず夢をみる島のエンディングを見るのを楽しみにしているのと、MOTHERも移植されたらいいなというのと(絶対いろんなシーンで泣く。2が一番好きだけどプレイしやすくなった1をやりたい)、まだまだ死にたくないなと思いました。

いつものゼルダは操作が難しいと思っている人にも、ゲームが苦手な人にも夢をみる島はおすすめですよ。ぜひどうぞ。

そしてついでに僕の著書『世界一美味しい「どん二郎」の作り方』と、YouTubeチャンネル『のじまちゃんねる』もよろしくお願いいたします。

 

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